今回の本の紹介
初めての作家さん、雫井脩介さんの「霧をはらう」という作品です。
病院で起きた点滴死傷事件。
入院中の4人の幼い子どもたちにインスリンが混入され、2人が殺された。
逮捕されたのは、生き残った女児の母親。
人権派の大物弁護士らと共に、若手弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む!
昔テレビで「火の粉」というユースケ・サンタマリアが出ていたドラマがあったんですが、どうやら雫井さんの小説だったんですね!本では読んだことがないのですが、あのドラマも面白かったです。でも最後あやふやであんまり覚えてないから今度読んでみようかな。
ぐっときたセリフ&個人的メモ
・正直に言うことほど強いものはないから
・長幼の序・・・子供は大人を敬い、大人は子供を慈しむというあり方。
・暖簾に腕押し・・・暖簾を腕で押したときのように何も手ごたえがない、或いは張り合いがないという意味の慣用句である。人だけでなくある動物や事象に対して使われることもある。他に「糠に釘」
感想
まず母親の名前が野々花・・・!
なんとも不思議ちゃんというかほんわか掴みどころのない母親野々花。だからかやってもないのに「私がやりました」と言ってしまい逮捕されてしまう。そんなこと絶対言っちゃダメなのに、取り調べってそんな酷なんですかね・・・そのせいで娘二人の人生は暗転。自分は何もやっていないのに辛くて悲しい毎日を送らないといけない。進学を諦め働く長女。彼女の職場でのアイスクリーム事件もムカっときましたね。ブチ切れる専務もありえないけど、濡れ衣着せたパートの女も許せない。きっと母親がこんなことにならなかったら、しっかり言えたんだろうけど、あんな人を母に持つ自分が何を言っても信じてもらえないと思っちゃった長女。だから痴漢事件のときも最初は口を閉ざしてしまうのも無理はないよなって感じです。
ほどよくボリュームもあり、読み進めやすかったです。
こんな人におすすめ
・えん罪事件についての小説が読みたい方
・病院が舞台の小説が読みたい方
・法廷物小説が読みたい方
★いくつ?
全体的評価・・・★★★★☆
読みやすさ・・・★★★★★
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